日時:2014年9月23日(祝) 天候:晴れ時々曇り
コースタイム 大貝戸登山口7:03-藤原山荘8:20-展望台8:32/8:37-天狗岩9:04-頭陀ケ平9:25-コグルミ谷出合10:20-奥の平10:55-ボタンブチ11:05/18-鈴北岳11:54/12:03-頭陀ケ平13:15-藤原山荘13:48/14:00-聖宝寺登山口14:53-大貝戸登山口15:19 メンバー:単独
シカの食害に愕然とした霊仙登山に続いて、次は御池のチェックに行こう。県境の鞍掛峠にマウンテンバイクをデポして、藤原岳~御池岳~鈴北岳~鞍掛峠のコースを計画し、車に自転車積んで6時に伊吹を出発。
国道365号から306号への分岐から峠に向かうも、何とすぐに道路をゲート封鎖。看板を見ると昨年の台風18号の影響で4か所程度道路が大きく崩壊していると写真付きで説明してあり、いきなり計画変更を余儀なくされる。藤原岳から御池岳、鈴北岳の往復とした。藤原岳の大貝戸登山口は伊吹から意外に近く35㎞で1時間もかからない。
まずは表登山道の鳥居の下から登る。よく整備され歩きやすいが、樹林の中の単調な登りが続く。1合目ごとに表示があり目安となる。上部ではニホンジカの不嗜好性植物のマツカゼソウ、イワヒメワラビが部分的に群生している。他の植物は見当たらない。8合目を通過するとトリカブト(カワチブシとも言うらしい。)の花が葉が全く無い茎の先に咲いている、何本も。葉はシカに食われたのか。これまた異様。斜面には大きくえぐれた場所も。食害で地表面の植生が消え保水力がなくなった斜面が崩れ、だんだん被害が広がっている様子。
藤原山荘からは、イワヒメワラビにさらにシカが嫌いなハナヒリノキ、シロヨメナやアセビが加わった中の山道を登ると、藤原岳山頂の展望台。とは言っても今日はガスが出て、鈴鹿の南の山並みは見えず、目指す御池岳方面も覗えない。せいぜい近くのカルスト地形がガスの中に見え隠れするのみ。山頂の休憩もそこそこに山荘まで戻り、御池岳へ目指すこととする。
藤原山荘近くの台地にはテンニンソウ、ナギナタコウジュ、トリカブトが地面を覆うが矮小化している。藤原岳と言えば花の百名山、特に春のフクジュソウで有名だが、これは毒を持っておりシカは食べないのか。樹林帯を進み天狗岩へ足を延ばすもガスガス、近くの藤原岳展望台も見えない。さらに緩やかな傾斜の幅広い斜面を行くと、見晴らしのいい裸地の上に送電線の鉄塔が立つ頭陀ケ原へ。その後、細くなった尾根をアップダウンを繰り返すと、幅広い尾根に。ここで赤ペンキを見落としルートロス。ちょっとウロウロした後、コグルミ谷ルートに合流しほっと。〇合目表示もあり、真の谷ルートとの合流点から山頂稜線へ直登となる。
山頂すぐ東の稜線に出て、まずは奥の平へ。緑の草原が気持ちよく広がっているが…。よく見るとイワヒメワラビばっかり。今から30年ほど前、勤め始めたころに登った時はササにびっしり覆われていたのに。ニホンジカに徹底的に食われてしまったようです。
南西に斜面が急激に落ち込み展望良好のボタンブチでドライゼロでノドを潤し小休止。数組の登山者がいるものの国道306号の三重県側が通行止めで登山者は少な目の様子。
一服の後、さて鈴北岳へ足を延ばそうと御池岳山頂を経て一旦くだりにかかる。そこはオオイタヤメイゲツの林が広がっている。シカの食害から守るため幹にはネットが巻かれているのが痛々しいが、それでもとってもいい感じの場所です。鈴北岳へのルートもササは全然ない。例のワラビとコケに覆われ、水を張った池とカルストの白い岩、緑の木々と、絵にはなる。鈴北岳に行ってびっくり。山頂一帯は裸地となって、かなり広がっている。シカよ、ここまでやるか!と愕然としていた、その時は。でもかえって調べると、1996年に鈴北岳山頂一帯は山火事があったらしく、それでササ原がなくなったということである。でも、それから17年も経過しているが、裸地のままなのは新芽をシカに食われているからか。
時間も12時になり引き返すこととする。途中、白船峠の先で女性の単独行者に追いつき話をすると、ボクと同様に藤原岳からのピストンという。ここからしばらくボクが先行したが、藤原山行の近くで休憩しているとタッタッタッと走って下っていかれました。
山荘前では多くの人たちが大きな穴を手作業で掘っておられた。聞いてみると環境保全型のトイレを作るためということで、地元の山岳会の人たちがクライミングのメットを被って汗を流してられた。春のフクジュソウの時期は大混雑するだろうから、容量大きいものが必要でしょう。
変わり果てた鈴北、御池の山頂あたりの光景を見て、伊吹山もこんなことになるの?でもどうしたら?などなど思いながら、帰りは聖宝寺道(裏登山道)から下山し、大貝戸登山口に戻った。