富山県 猫又山 山スキー

毛勝山系 猫又山(2,378m)

その3  6年ぶりの猫又

あの標高2,190m稜線から猫又谷を滑る

 今シーズンの締めは6年ぶりの猫又山。
天候にも、雪にも、山菜にも恵まれ、気持ちよくシーズンを終えられました。
 剣や北アルプス後立山連峰(朝日岳~爺ケ岳)の大展望、滑りやすい猫又谷、林道沿いのコゴミなどの山菜。そして、北山鉱泉でゆったりと疲れを癒し、しめは「富山ブラック」のラーメン。
 

日 時:2012年5月20日(日)  天候:晴れのち曇り
メンバー:おばたさん、ひじかたさん、やまもりさん、みやけさん、たかはし
コースタイム:5:30南又林道標高630m林道分岐あたり-7:20猫又谷へ-10:50/11:40稜線-山頂12:16/13:15-14:20スキー終了-16:05車駐車地点

朝の猫又谷 谷の途中から振り返る
稜線から赤谷山と剣岳 山頂から釜谷山、毛勝山

 6年前と同じようなところで、車を止めて歩き出す。林道は二つに分岐し再度合流するが、少し距離が短い洞杉があるコースを行く。1時間ほどで初めて来た時には車で入れた発電所辺りにつき、一服。さらに林道を進んで、猫又谷の雪渓に降り立つ。最終堰堤を越えてスキーをはき、登りだす。春の日差しが照りつけ、汗が流れる。

 稜線からは今回も剣や後立山の展望が素晴らしかった。そして山頂へ。風もなく、素晴らしい展望に、この上ない至福の時をすごす。今回も、日帰りで毛勝から周回でこられる人や反対コースの人もおられる。すごい!

 山頂からスキーで滑る。山頂部はガスが出だし、ゆっくりと高度を落とす。2,190mの稜線からは目の前にずっと続く猫又谷に滑り込む。滑り応え十分です。適度に雪も緩み、落石も少なくきれいな斜面。思い存分楽しめます。

山頂からの猫又谷 稜線直下を滑る
遥か向こうからロングラン 広い谷を思うがままに

 思い存分楽しめました。デブリもさほど障害にならず、いい斜面がたくさんあります。十分滑って、「ああ、しんど。」とは贅沢です。林道の長い帰り道も、コゴミなどを摘みながら、さほど苦にならず、車に到着。

 

その2 2006年の春

日 時:2006年5月21日(日)   天候:晴れ
メンバー:おばたさん、やまもりさん、たにうちさん、たなかさん、たかはし、そして姫路と北海道のつわものさんたち
コースタイム:林道標高600m地点5:30-取水口あたり6:50-最終堰堤7:45-稜線10:30/45-頂上11:25/13:24-最終堰堤14:25-林道標高600m地点15:45

朝の猫又谷

 今年はやはり5月でも残雪が一杯でした。林道も標高600mあたりで除雪がストップ。
 仕方なくぼちぼち歩き出し、1時間20分かけてようやく、3年前、車を止めた取水口の分岐に到着しました。でも、天気は上々。新緑の中、猫又谷が稜線まで真っ直ぐ伸びています。
 次々と林道を登ってこられる山スキーヤーもいて、この時期の猫又はやはり人気です。

 前回と同じ場所から谷に下ると、意外にも谷は大きく割れているところもあり、その中をものすごい量の清冽な雪解け水が流れてます。聞くところによると、これらアルプスからの莫大な水が富山湾の海水と交じり合って気水域つくり、鰤をはじめ豊かな魚介類をはぐくんでいるようです。

  
 谷はきれいで、順調に高度を稼いでいきます。

でも、だんだん、しんどくなってペースも落ちてくると、途中で、スキーを引っ張る北海道のつわものさんに軽くかわされ、その差は開く一方です。稜線近くの急登を大汗かきながら、スキーをザックにくくり付けアイゼンで登ります。

 毛勝山に比べると、猫又谷の斜度は強くないので、まだ、登りやすいです。先行した人はアイゼンなしでしたし、そういえば、前回あった地元のおじさんは長靴でした。

 そして、10時30分待望の稜線に到着。ドーン、目の前に今日も北アルプスの大展望が待っててくれました。

 

 さあ、もう少し頑張って頂上を目指しましょう。稜線はブッシュが少し出ていて、前回よりも少ない感じでした。
 前回はスキーをコルでデポして、ブッシュに突っ込んでいき結構苦労しましたが、今回は稜線東側の豊富な残雪のルートで頂上に向かいました。

 誰もいないピークに11時25分到着。
 当初は、南東斜面を標高差300mほど滑り登り返す予定でしたが、予定外の林道歩きが長く、時間がかかり、中止し、後続メンバーをのんびり待つことにしました。

剣岳 遠く鹿島槍、爺、右手前に赤谷山

 すると、12時ごろ、釜谷山方面から2人パーティーが到着。拝見すると山の経験豊かなベテランさんの様子です。
それからの会話は次のとおりでした。
 「どちらから来られたんですか?」
 『毛勝からですよ。2時間かかりました。』

すぐに核心部!
 「どこかでテント泊ですか?」
 『いえ、今朝3時に家を出て、4時過ぎに片貝川第4発電所あたりから歩き出し、9時に毛勝山頂に着いて釜谷山を経 由し、猫又にきました。』

 「それでは、南又谷に車がデポしてるんですか?」
 『いえいえ、これから毛勝に戻り、下ります。』
 「へぇ!、すっ、すごいですねぇ!」
12時30分に猫又を出発され、少ししてみると、釜谷を登るお2人の姿が。

 そして、もう一人。姫路のつわものさんが頂上に到着。帰りに話をしていると、先のGWに不覚にも山スキーで転倒し、肋骨に幾つかひびが入っているという。鎮痛剤を飲んで、その副作用ではきそうになっていたという。

 ものすごい人たちは周りには沢山いるのですね。ということは、「ものすごい!」というボクの基準ラインが低いから?まだまだ、修業不足のようですねぇ。あは。

山頂からの猫又谷 剣から奥大日方面を望む

 さあ、後続メンバーも登てきて写真撮影の後、滑降に取りかかります。剣や北アルプスを目の前に望み、滑るのはとても気持ちいいです。そして、これら北アルプスの巨峰たちに別れを告げ、猫又谷に飛び込みます。

猫又谷を楽しむ(たなかさん)

春の日差しに適度にゆるんだ斜面は滑りやすい。思い思いにシュプールを描いて、猫又の斜面を楽しみます。

 途中、ガリッとくるところも一部ありましたが、全体としては、落石も少なく、斜面もきれいで、とても快適な滑降でした。
 猫又谷、いいところです。

 今回残念だったのは、雪解けがかなり遅いため、前回のように山菜が採れなかったことでした。これも春スキーの大きな楽しみなんですが。
 例によって北山鉱泉でゆっくりと汗を流し、北海道と姫路のつわものさんたちと再会を約束して、滋賀に向かいました。

 

その1 2003年の春 

日 時:2003年5月17日(土)   天候:晴れ
メンバー:みやけさん、たかはし
コースタイム:取水口5:28-釜谷出合6:05/35-二俣7:30-稜線9:30/49-頂上10:42/12:00-稜線12:35/55-最終堰堤13:30/40-取水口14:55

朝日差す猫又谷

 谷を登って二俣当たりで、日が差してきました。猫又谷は広いですが、両側の尾根からの落石や雪のブロックの崩壊には十分注意が必要です。

 

剣の展望

 飛び出しました2,200mの稜線。待ってたのは剣の大展望。左の一番手前は赤谷山です。

 

毛勝山(右奥)、釜谷山(左)

 今日登った猫又山と併せて毛勝三山と呼ばれる、毛勝山(2,424m)と釜谷山(2,415m)です。
 メジャーな毛勝山には何人か人影を見ることができました。

 

遠く鹿島槍と五竜岳

 右に双耳峰の鹿島槍ヶ岳と左に五竜岳など後立山連峰の山々もよく見ることができました。モデルは相棒のみやけさん、何かカッコいいでしょ。手にしたスーパーの袋はあれですが…。

 

お待ちかねのダウンヒル

 2,200m稜線からの今シーズン最後となるダウンヒルです。そんなに急でもなく適度に雪も緩み、楽しい滑降ができました。
 後方の小さい人影が地元の長靴おじさんです。

 

猫又谷全景

 滑走終了地点あたりから望む猫又谷全景です。左奥が猫又山です。標高差約1,100m、とってもいいところでした。
 滑った後、林道歩きの楽しみもたくさん。下の写真のシラネアオイやキクザキイチゲのほかいろんな花々やコゴミやヤマウドの山菜などなど。コゴミはマヨネーズにあえて初めて食べたらおいしく、家族にも好評でした。
 また、車での帰路、林道途中の杉の大木にも圧倒されました。

【記録】

 
いよいよ今シーズン最後となりました山スキー。目指すは富山県魚津インターから入る北アルプス毛勝山系の猫又山です。毛勝山は3回程度行ったことがありましたが、広大な谷を有すると聞く猫又山に初めて入ってきました。期待どおりの山で、満足して今シーズンを終えることができました。

 深夜、魚津ICから進み、途中毛勝山への分岐を右に折れてまさにどんどん行く。ガスもかかって道幅を確認するのが精一杯で何処を走っているのかよくわかりません。落石もあり、一人じゃ、嫌だなという感じでした。ようやく着いた取水口施設前で車を止めるが、もっと奥に林道は続いているはずと、ちょっと引き返すが分岐がわからなかったので、とりあえずここで飲んで寝ることとする。他には一台も車はない。これは意外でした。

 朝、目を覚ますと正面遠くに猫又谷が望めました。稜線まで雪は続いており一安心。さて、道は…と探すと、ちょっと戻ったところに除雪していない林道が延びていた。5時に登ってきた(無茶苦茶早い出足の)地元の山菜取りの人に聞いたら、もう工事をしていないので除雪は取水口施設までとのこと。ということで、林道を進みかけたら、滋賀労山山スキーネット泊組みの4人が到着した。お先にと、林道を進み、砂防ダムが連続している右からの谷に出合ったところで猫又谷に下り、すぐにある最終の堰堤を右から越えると雪が続いていた。もうここは釜谷出合間近です。スキー登行に切り替え、広大な谷をゆっくりと登っていきます。広いですが左右の尾根からの落石や雪のブロックの崩壊には注意が必要です。この日も雪渓のあちこちに、大きな石や雪の塊が転がっており、よく見るとすごいスピードで落ちてきたのか、雪面を弾んだ跡にできた大きな窪みが転々と上から続いていた。こんなものにあたったらひとたまりもない。特に雪の上を落ちる時はあまり音もしないため、みんなでワアワア言いながら進むのも危険です。ガスの日も同様ですね。

 途中からアイゼン歩行に切り替え、グングン高度を上げ2,200m稜線に9:30到着。期待どおり岩の殿堂、剣岳の大展望が待っていてくれました。手前の赤谷山から剣岳へと続く北方稜線の途中には2年前に行った池平山も望むことができた。大窓越えの山スキーコースは懐かしいく、是非また行ってみたい。さて、稜線にスキーをおきピークを目指す。一箇所雪が切れ、大きな石がごろごろしている当たりで巨石を左から回り込みはい松などの下をくぐって抜けるのにちょっと難儀した。また、この手前は雪面も急で、地元魚津の人(このおじさん、家を7時30分で出て12時前にはもう頂上。長靴姿でピッケルもなしで、ひょいひょいと登って、ひょいひょいと下りていかれました。唖然。)によれば時期が早いと壁になり通は穴を掘ってクリアするとか…。ともかく、この難所?を抜けるとまた広い雪の斜面がピークまで続いてました。10:42待望の猫又山頂到着。北には釜谷山の向こう毛勝山に数人の登山者の姿が見られた。(猫又山にはこの日、ボクら(2人+4人)のほかは、先ほど登場の地元のスーパーおじさんと山スキーヤー2人に出合い、下の林道で泊の山スキーヤー4人に出会っただけでした。)後立山連峰は朝日岳から爺ケ岳あたりまでぜーんぶ見え、剣から立山、大日岳などの大展望とビールに酔いしれました。ゆっくり、時間をとって大休止の後、スキーをデポした稜線まで戻り、いよいよ滑降にとりかかる。

 毛勝よりは傾斜も幾分緩やかで、雪も適度に緩み、気持ちいい。写真とりながら大斜面を滑り、それでも30分程度で標高差約1,100mを滑りました。スキーの邪魔になる石や枝も比較的少なく、シーズンフィナーレにふさわしい楽しいスキーとなりました。さらに、スキーを担いでからも、キクザキイチゲ、シラネアオイ、イチリンソウ、イワカガミ、ショウジョウバカマ、カタクリ、エンレイソウなどの花々が目を楽しませてくれ、コゴミやヤマウドの収穫もあり大満足でした。特に、コゴミは早速、家でマヨネーズにあえて初めて食べたら、おいしかったです。ということで、スキー以外にも楽しみも多かった猫又山の山スキーでした。

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