薬師岳山スキー その2

日時:2018年4月29日~30日

天候:晴れ

コースタイム:第一日目  林道駐車地点5:12-飛越新道登山口5:31-寺地山8:51-太郎小屋:12:36/13:03ー薬師平13:58/14:25-太郎小屋15:08 (小屋泊)

第二日目  太郎小屋6:10-薬師岳8:30/8:49-太郎小屋10:00/10:42-寺地山13:43ー飛越新道登山口16:07-車駐車地点16:25

4回目となった太郎小屋泊りの恒例の山スキーツアー。

ところが今年は雪解けが早く、登山口から約一時間程度スキー板を担いでのしんどい歩きとなりました。

寺地山からは北ノ俣岳の大斜面がドーン。真っ黒に日焼けした人たちが下山してこられる。狭くて歩きにくい尾根を過ぎて大斜面の下部に。ここからゆっくりと登っていきます。そして着いた稜線からはお楽しみの景色。目の前の薬師岳のほか、雲の平の向こうに水晶岳、遠くに槍ヶ岳も。ここから太郎小屋に滑り込むが、また間違えてしまった。傷が深くならないうちに気がついて少しだけ登り返して正規ルートへ。調子に乗って滑っていくとあきません。

太郎小屋で一服し、空身で薬師岳を目指すも体力低下顕著で、薬師平までで今日は終了とする。小屋ではラッキーにも個室を用意していただき、ゆっくりと飲んで過ごすことができました。富山も夜景やお月様がきれいでした。

そして二日目。風は強いものの快晴。時間はあるのでゆっくりと山頂を目指します。山頂手前で雪が切れてスキーをデポして少し歩く。山頂から360度の大展望に加え、金作谷カールが素晴らしい。過去にはここに滑り込んだこともあったが、今年は時間がかかって余裕がない。稜線の滑りは上部は固い雪だったが、次第に緩んで快適に。一気に薬師峠まで。

太郎小屋でのんびりとしてから北ノ俣岳に登り返す。稜線から北ノ俣大斜面を楽しみ、シールを付けて寺地山へ。林間滑降の後、雪解けがさらに進み、スキーを担いで下山するも中途半端にとけた斜面ではルートが不明瞭で一時ウロウロと。登山口への下りではこれまでは雪もかぶって見たこともない黄連などが咲いて、山にも春の訪れを感じました。

岐阜県 薬師岳 山スキー

薬師岳2,926m(薬師沢左俣・金作カール・鳶沢少々)

-薬師岳周辺の春山スキー-

北ノ俣稜線からの薬師岳

 稜線にでると、目の前には大きな薬師岳、その左に尖がった剣、大日連峰。

 何年ぶりかの薬師岳。今回は前回滑れなかった山頂からの金作カール滑降をメインに周辺を滑ろうというもの。

 目一杯の行程で疲れましたが、期待どおり2日間でした。

日 時:2010年5月3日~4日  天 候:3日は快晴、4日は朝方くもり、のち晴れ
メンバー:みやけさん、やまもりさん、たかはし
コースタイム:5/3 有峰林道1,370m地点4:57-飛越トンネル5:19-△1,842m7:20-寺地山8:30-北ノ俣稜線11:15/12:30-(中俣乗越)-赤木平14:20/15:00-(薬師沢左俣滑降)-薬師沢2,050mあたり15:20/16:00-太郎平小屋17:30
5/4 太郎平小屋6:30-薬師岳9:06-(金作カール滑降・登り返し)-薬師岳10:10-(稜線~薬師岳山荘~鳶沢滑降・登り返し)-薬師平-太郎平小屋12:35/13:00-北ノ俣稜線14:30-寺地山15:55-トンネル上滑走終了17:45-林道駐車地点18:34

北ノ俣の大斜面

今回の雪質は素晴らしく、帰りは標高差550mを10分足らずで、快適スキーでした。
北ノ俣からの三俣蓮華、槍、黒部五郎方面(左から)

 北ノ俣稜線までは順調に登って、当初黒部五郎を往復する予定も、あまりに遠く黒部五郎が見えたため予定を変更。

赤木平からの黒部五郎岳

 稜線からはずれた小ピーク赤木平は、岩やハイマツが露出しているが黒部源流部の絶好の展望台。
薬師沢左俣

 左俣をやや重い雪に足をとられながらも下っていく。

薬師沢2,050m地点まで下ってきた。ここは本当に山の奥の奥という感じ。周りの景色は素晴らしい。


薬師沢 山々に囲まれて

薬師沢2,050mあたりから遠く三俣蓮華から黒部五郎への峰々。
 わずかにのぞいた薬師沢に流れる水の音だけ、静寂の山スキーだから比較的簡単にこんな別天地に居られる。
太郎小屋手前からの黒部源流部

 夕日に照らされて輝く黒部源流部。左から木々に覆われて盛り上がる雲の平、三俣蓮華、そして一段と高く黒部五郎岳。

 第2日目は朝からくもり。風も出て、薬師の山頂部はガスで見えない。でも金作カールは待っている。

金作カールへの滑降 薬師から稜線を滑降
薬師平へ快適スキー!

【記録】

○第1日目

 飛越トンネル手前、約1キロ強で大木が倒れており、ここで多くの車が並んでいる。
翌朝5時前に車を出発。朝一番、トンネル横の急坂を登ってしばらくで、雪が続きスキーをはく。既に多くの入山者があるようでトレースや滑った跡も多い。6年ぶりの薬師岳を目指して進む。1,643mを超えると次の1,690mの小ピークは左に巻いているトレースがついており、利用させてもらう。1,700mから少し下り、△1,842m手前には7:20に到着。ここからは寺地山が近く見えてきた。だらだらと登っていき寺地山には8時30分着。目の前には、北ノ俣の大斜面が大きく広がり、左に目を転じると、薬師岳そして、剣が尖がっている。相変わらず薬師は遠い。

 一旦下って、樹林の中を進むといよいよ北ノ俣大斜面の登りとなる。適度に雪は緩み、快調に登っていける。ずっと直登し稜線手前で左にトラバースして、11時15分、標高2,600m稜線に到着。周囲に広がる展望は素晴らしい。6時間かけて北アルプス山の中に入ってきた感じ。剣~薬師~赤牛~黒岳~(その手前に雲の平)~鷲羽~三俣蓮華~(その間に槍)~双六~黒部五郎。もう、絶景です。
 あちこちに大スロープが広がり、多くのパーティーが滑ったり、登ったりしている。3人のパーティーに話を聞くと、立山~上高地までいわゆる日本のオートルートを3泊4日で行く計画で、1泊目は五色が原、2日目は太郎平と予定通りだが、昨日メンバーのスキーが流れ、幸い回収できたものの折れてしまって使うことができず、結局、北の俣から飛越トンネルにやむを得ず下山するという。いろんなパーティーが集結する山スキーの天国!
 さて、当初考えていた黒部五郎は遠い!すぐさまそこへの往復は諦めて、ゆっくりしてから薬師沢左俣を滑り、太郎小屋に登り返すことに方針変更。ところが…。メンバーの一人と連絡が不十分となり、結局この稜線あたりを中俣乗越へ往復トラバースしたりして、2時間少々時間を消費。そうこうしているうちに赤木平に着いたのは14時20分。多くの岩が露出したここからの展望もよかった。風をよけて、一服の後、時間もたってきたし、左俣に滑り込む。とても滑りやすいが、陽気のせいで重雪となり、ちょっと苦労。

 薬師沢本流に合流する手前2,050mで大休止。ここの雰囲気は第一級の光景。360度、周りを全て雪山に囲まれ、雪の白と、緑の針葉樹と、遠くの白い峰々と、青空と。こんなロケーションの中に身をおけることは本当にしあわせ。山スキーをやってきてよかった。でも、そうそうゆっくりしてられない。今日のお泊り場所、太郎平小屋に登らなければ。薬師沢本流に沿って遡り、2,100mの分岐を左に進みしばらくで、右手の尾根に登り上げ、傾きつつある夕日に向かって太郎平小屋へ。

 小屋では個室に案内いただき(これはうれしい。)、意外に利用者の少ない自炊部屋で、ゆっくりと酒を飲みながら、一日を振り返り、明日の行程に思いをめぐらす。小屋泊で山スキーを楽しむのも、たまにはいいです。


○第2日目

 寝ていると外ではヒューヒューと風の音がうるさい。いやな感じ。
5時に起きると、雲が広がり風も強い。ラーメン食べ、6時30分小屋を出発。目指す薬師の山頂部はガスに覆われている。意外な天候。そのうちに良くなってくれることを期待して、一旦薬師峠に下って、登りにかかる。曇り空だが気温は高く、雪も緩んでいる。薬師平までくると、ようやく山頂部のガスも取れてきた。モチベーションも次第に高まり、ライチョウのお出迎えをうけながら9時6分に山頂着。

 まずは今回の第一目的の金作カールの滑降にかかる。山頂からの滑降は斜度もそこそこで、カールの底まできれいな斜面が広がっている。さあ、GO!意外に新雪が重く、上部は多少難儀。でも、念願のカールを滑降する喜びはうれしい。200m近く滑って登り返し。次回はもっと雪がよければ。また隣の中央カールも滑りたい。

 カールの底からの登り返し。足取りが重く、僕たちがすべって荒れた斜面から新雪が団子になって時折襲ってくるので気をつけながらカールの東に延びる尾根に登り上げ、山頂に戻った。そして、避難小屋(?)から当初予定の薬師沢右俣を覗き込む。最初は気持ち良さそうだが、薬師平への約150mの登り返しがしんどそうなので方針変更し、稜線を滑る。最初は広く結構快適。薬師山荘からは北西に広がる鳶沢がとても楽しそう!再度、方針変更し、稜線をはずれ北西に滑り込む。ここの雪は最高ザラメ。登り返しを考え斜度の落ちた標高差150mあたりで止め、右の尾根に登り返しトラバースし薬師平の上部に戻る。
 ここから2,294mの薬師峠までも滑りやすい、いい雪で標高差300m強を楽しめた。さて、ここから北の俣への登り返し。太郎小屋に12時35分に着いて13時出発。標高2,600mまでゆっくりゆっくり登り返し、14時30分に北の俣分岐到着。
さあ、最後のお楽しみ。予想以上に北の俣大斜面は滑りやすい。標高差550mを10分弱で大満足の大滑降!さあ、ここから長い道のりをトンネルまで戻ろう。ツボ足で日帰りで北の俣に登ってきたという熟年のご夫婦(?)と相前後しながら、樹林帯は木々をぬったしっかりとしたコースを利用して、寺地山からトンネル上の滑走終了地点まで1時間30分ほどで戻ってこられた。しばらくして、暗くなってきました。

 今回は欲張った目一杯の計画で、一日目は黒部五郎往復という無理もありキャンセルし、二日目は金作カールと鳶谷滑降・登り返しという充実プランで疲れましたが、天候にも恵まれ満足できる春山スキーとなりました。

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