中央アルプス 越百山~空木岳周回コース

日時:2015年8月10日 前夜発日帰り  天候:曇り時々晴れ、午後3時半以降夕立

コースタイム:伊奈川登山口4:51-福栃橋登山口5:21-4合目下のコル6:22-水場分岐・越百山まで2.3km6:51-越百小屋7:32-越百山8:10/20-仙涯嶺9:17-南駒ヶ岳10:23/34-空木岳11:55/12:12ー木曽殿山荘12:50/55-仙人の泉14:00-北沢吊り橋14:26-うさぎ平15:06ー金沢土場15:28-伊奈川登山口16:24

メンバー:単独

【記録】

2年前の伊奈川起点の越百・南駒ケ岳周回コースのグレードアップ版で、まだ行っていない空木岳を含めた周回コース。多くの人たちの記録もあり、2年前の周回が8時間ほどだったので、距離の長い今回は12時間程度をめどに予定を組みました。

 道の駅大桑で仮眠の後、林道を進み伊奈川登山口へ。お盆前の月曜でもあり、駐車場は15台ほどあって何組かが準備中。越百に行くのか、空木に行くのか。ボクは予定より早く5時10分前に出発。30分を歩いた後、福栃の登山口から山道へ。今日も暑くなりそうで4Lの水分を詰めて、朝のうちに越百まで登ってしまいたい。樹林帯の気持ちのいい登りで、4合目の下のコルの標識は確認できたが、その後は見当たらず、次の標識は越百山まで2.3㎞と水場の標識のある標高2,200m地点だった。しばらく登ると2,436mピークを左から巻いていくと、左手に南駒ヶ岳が北沢尾根を西に長く伸ばして大きい。青空も広がってきた。越百小屋に、7:32着。最後のひと登りで山頂には8:10着で、登山口から3時間20分でまずまずのペース。なんとか周回コースはいけそう。

 たった一人で山頂からの景色を楽しむ。まず、目の前には南駒ヶ岳が雄大で、仙涯嶺もその頂が天を突いている。東遠くには南アルプスの高嶺が雲の上に顔を見せ、北岳からの白根三山、塩見岳、その右隣に富士山、荒川三山、赤石岳と。休憩もそこそこに南駒を目指す。少し下ってゆっくりと稜線を登っていき、仙涯嶺手前からはゴツゴツした岩の間を登る。仙涯嶺を越え、いったん下って南駒の登りにかかる。この辺りは豊かな植生が広がり高山植物も多い。

 一番多いのはイワツメグサ、トウヤクリンドウで、ミヤマホツツジ、クロトウヒレン、ハクサンフウロ、ヨツバシオガマ、イワギキョウ、チシマギキョウ、ミヤマアキノキリンソウ、ウメバチソウ、タカネツメクサ、ヒメウスユキソウ、ミネウスユキソウ、ミヤマウイキョウ、モミジカラマツ、ミヤマダイモンジソウ、タカネトリカブトなどなど、ピークは過ぎた感じはあるものの、結構楽しめた。ここにはまだ南アルプスみたいにニホンジカの獣害は及んでいないようだ。

 そして南駒ヶ岳山頂へ。北沢尾根を登った2年前は登山口から4時間ほどかかり、でっかい山やなぁと思ったが、稜線から来ると当たり前ながら難なく登れてしまい、若干拍子抜けのような。

 南駒山頂では2人の登山者の方と出会いました。登山口から数えても10人も出会わない静かな山塊です。北アルプスなど人気の山々では味わうことのできない大きな魅力です。山頂からは空木岳がようやく大きな姿を現してくれました。あと1時間半ほどでしょう。振り返ると仙涯嶺から越百山への稜線はガスに覆われてきました。まだ時間は10時半なので12時までには空木岳に着けそうです。午後は雷が嫌なので、逃げ場のない稜線からは下りたいところです。

 


 南駒ヶ岳からいったん下って登って赤椰岳を越え、さらに夏山満喫の稜線漫歩を楽しみながら進むと、空木岳が目の前に。思ったよりも大きな岩が折り重なるようにゴツゴツしている山頂部です。ピークには11時50分に到着。ここでも2人だけの登山者。池山尾根方面の頂上直下には駒峰ヒュッテがありテラスでくつろぐ人たちも見える。ぬるくなったドライゼロで景色を見ながら一人乾杯して、登山口から約7時間の行程を振り返る。大好きな南駒ヶ岳は既にガスに覆われ見えなくなったのは残念だけれど、越百、南駒、空木と中央アルプスの中央部分の山々を縦走できたのは大きな満足感があります。

 さあ、伊奈川の登山口まで下山にかかります。木曽殿山荘までは岩の小ピークを越えながら最初は緩やかに、最後は急激に下っていきます。中央アルプスの北部、宝剣岳方面もガスが広がり檜尾岳辺りまでしか見通せません。標高約2,500mの山荘の前を通って伊奈川への下山ルートに入ると一帯がお花畑となっている。ここまでで結構な種類の花の写真が撮れて満足。このルート、最初は尾根をかなり広く使ってしんきくさい位にゆっくりと高度を下げ、そのうち急な下りとなり、また緩やかに下ったりと繰り返しているうちに、沢の音が近くなり、北沢の吊り橋にでる。ここまで山荘から1時間半。途中、義仲の力水の湧水、仙人の泉などの場所がある。

 吊り橋を渡り少しだけ登り返して、尾根をゆっくりトラバース気味に下って最後にガンと降りると、うさぎ平の林道に出る。右手に林道を進むとしばらくで倉本方面への分岐となる金沢土場に。下りの林道なので登山口までのんびり行こうかと思ってたら急に夕立に見舞われ、こりゃかなんと急ぎ足でどぼどぼになって、16時24分登山口到着。ほぼ11時間半、最後の豪雨は勘弁してほしかったけれど、夏の中央アルプスを満喫できた一日でした。少しハードですが、いいコースでした。

 なお、今回のコースで見られた高山植物(北沢の吊り橋付近の花も含みます。)は次のファイルをご覧ください。越百山~空木岳の高山植物その1その2

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